本当の初恋というかなんというか、初心者ながら語ってます
私が本物の恋をしたのは中学3年生の時だった。
「初恋」という単語の意味は、多くの人に知られている通り「生まれて初めての恋、その人にとって初めての恋」である。
私がタイトルと書き出しの1行目を「初恋」ではなく「本物の初恋」と書いたのは、本物の恋をする前に彼女ができたことがあったからだ。
世間からしたらこれは初恋とは呼べないかもしれない。
しかし、私はこれを初恋だと思う。
なぜなら、今までで印象に残っているのはその人だと思うから。
ここからは、私の初恋の人をKと呼ぶことにする。
私とKの出会いは、中学校の委員会で同じ学級委員になったことがきっかけだった。
Kとは今まで同じクラスになったことはなかったし、目につくこともなかった子だったが、初めて見た時一目惚れに近いような何かを感じた。
それが一目惚れかどうかは定かでないが、誰にも取られたくないと思った。
まだ中学生だった私は、積極的にKに話しかけていった。
その結果、Kは成績優秀でものすごく努力家な人だということがわかった。
Kは1組でソフトテニス部、私は7組でハンドボール部でクラスは遠い上に、コートはお互いに学校の真反対の位置にあったため委員会以外であまり接点がなかった。
だからこそ、たまたま会った時はすごく嬉しかった。
話は飛ぶが、そんなこんなで仲良くなった私たちはLINEを交換した。
確か交換したのはTwitterのDM機能を使ってだった気がする。
KとLINEで話していくうちに、段々と学校外で会うようになった。
会う場所はいつも決まってKの家の前で、たまにKの家の横にある公園の時もあった。
お互い受験が控えていてあまり時間があるとは言えなかったが、私はそんなことはお構いなしに「会いたい」とLINEを送っていた。
Kは優しく基本的にはいつも「いいよ」と返してくれた。
夏にはもうすでに頻繁に会うような関係になっていたからここまでの関係になるまでに、案外時間はかからなかった気がする。
そうして段々心の距離はもちろんのこと、物理的な距離も近くなっていった。
家族以外の異性とのハグもキスもKが初めてだった。
初めてのキスは、夏休みの何日か前だったと思う。
あの瞬間は今でも覚えているし、これからも忘れることはないと思う。
お馴染みのKの家の前で、手で目を隠してチュッとした。
帰り道はすごくドキドキしていて、速く打つ鼓動に合わせて自転車を漕ぐスピードも上がった。
それからは、手を繋ぎながら話したりキスをする回数も多くなった。
実は、これまでに何回か付き合わないかという話を持ちかけていたが、いつもはぐらかされていた。
あまりにはぐらかされるものだから、私は半ば諦めかけていたが「会いたい」といえば「いいよ」と返ってくるし、キスもしてくれる。
そんなよくわからない関係だった。
だからこそ強く印象に残っているのかもしれない。
それからお互いに部活を引退し、受験に向けて本格的に勉強をしなければいけなかったわけだが、私は推薦のような形である程度の保証がされていたためどうしても勉強に熱が入らなかった。
迷惑をかけてはいけないと思いつつも「会いたい」とLINEを送ってしまっていた。
断られることもあったが、それでもよく会ってくれていた。
お互いにくっつけるような距離感になってからは、暑かろうが寒かろうがずっとくっついていた。
Kの家の門を入った脇に少しだけ道から見えないような死角があって、そこでいつも座りながらくっついて話をしたり、キスをしたり、少しだけエッチなこともした。
そこは私たちの定位置だったが、夏は蚊に刺されてめちゃくちゃ痒いし、冬はとても寒かった。
ここまでの関係でいて付き合うことにもならず、デートに行ったこともなかったが私はKのことがとても大好きだった。
好意が収まらなかった私は、無神経なことにKの受験が終わる前にもう一度ちゃんと告白をしようと考えた。
貯めた小遣いでネックレスを買い、渡すときはキザに跪きながらプロポーズをするかのように告白した。
結果は当然失敗。
振られた時の言葉は今も覚えている。
「ごめん、受け取れない。」だ。
個人的には「またか。」という感覚だったが、カッコつけて告白したこともあって少しショックでもあった。
流石にそこから少し会う頻度は減ったが、ある時Kが私と同じ高校に行こうか迷っていると言ってきた。
このセリフを聞いた時はとても嬉しかったが少し心配もした。
なぜなら私の志望校は片道約2時間ととても遠かったからだ。
交通費は3年間で約55万円と時間的にも、金銭的にもあまりお勧めできる場所ではなかった。
結果的に、私たちは別々の高校に進むことになったのだが、中学校を卒業しても私は彼女が好きだった。
しかし、段々会うこともなくなっていき、Kへの気持ちは忘れていった。
そんな私に高校生初めての彼女ができた。
その子とは何をしたわけではなく、ただ付き合っているという肩書きだけがあった。
ある時、KからLINEがきた。
内容は私と付き合っていればよかったというものだった。
私はそれを「もう遅いよ」と冷たく遇ってしまった。
それ以降Kから連絡が来ることは無くなった。
高校3年の夏に一度会う機会があった。
Kは成長してとても綺麗になっていて、二人で過去のことを「懐かしいね」と言いながら話したのはいい思い出。
Kは今保育士になって元気に働いているそうです。
一方、私はというと社会の荒波にもまれ適応障害になり現在フリーター中です笑